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リペアマンの一言 Back number

<リペアマンの一言> Vol.35
春日部店 ヤマハ防音室『アビテックス』 設置

春日部店に、ヤマハ防音室 『アビテックス』 が新しく仲間入りしました。

管楽器は音量が大きく、奏者にとって練習場所の確保は悩みの種。
自宅や、夜間の演奏は周囲に音が漏れてしまうため、
なかなか思うように練習が出来ないことも多いでしょう。

アビテックスは、防音効果に優れており、
音響も重視していますので、管楽器奏者にとっての強い味方です。
(管楽器以外の楽器にも対応しています。詳しくはスタッフまでお問い合わせください。)


管楽器奏者 生の声

アビテックスの使い心地は実際どんな感じなのでしょうか。
今回は、当店でアビテックスを実際に体験した管楽器奏者の方たちに
吹き心地の感想を聞いてみました。

防音室(アビテックス)
・「音が吸収される感じはせず、吹き心地が良い」

・「音がはね返ってくるので、自分の出した音がよく聞こえて演奏しやすい」

・「ミュート(弱音器)をベルに装着せずオープンで吹けるので、

   吹奏感を損ねることなく吹くことができるのが良い」

・「音量をコントロールしたり、細かなニュアンスをつけるなど、

   練習の幅が制限されることなく思うままに演奏できる」  等

一方、同じく音を最小限におさえるための器具、
『プラクティス ミュート(弱音器)』の感想です。(メーカー、商品問わず)
トランペットやトロンボーンのベルに取り付けて使用します。

プラクティス ミュート
(弱音器)


・「ウォームアップや指を動かす練習等に適している」

・「吹奏感が変わり、抵抗が少しきつくなる」

・「ミュートの重さで、構えた時のバランスがやや崩れる」

・「実際の音量を聞くことができないため、

  音量や細かなニュアンスのコントロールが難しい」  等

これらの感想はあくまでもごく一部であり、感じ方にはもちろん個人差があります。
使用楽器によっても違ってくるでしょう。

皆様も是非ご来店いただき、実際にアビテックスをご体感ください。
ご自身の楽器をお持ちいただき、中で実際に吹いていただくことも、もちろんOKです。
楽器の定期調整、修理の際にも是非お立ち寄りください♪

ご質問、ご相談はスタッフまでお気軽にご質問ください。


防音室 アビテックス のページ
<リペアマンの一言> Vol.34

金管楽器の材質


「カタログを見ても楽器の違いがよく分からない。」
「何を基準に楽器を選べばいいの?」
「イエローブラスとかゴールドブラスって何?」

そんな疑問をお持ちの方のために、
今回は金管楽器で主に使われている金属製の材質の特色をご紹介します。
カタログと見比べながら研究してみましょう。

ベル材質と音色

管楽器は非常に繊細な楽器のため、楽器の形状や管の長さだけではなく、
材質によっても振動や音色が微妙に異なります。
以下は金管楽器のベルに主に使用されている素材とその音色傾向です。

イエローブラス 明るく張りのある音
ゴールドブラス 幅のある豊かな音
レッドブラス 柔らかく、落ち着きのある音
(日本ではあまり使われない。アメリカが主流)
洋白4種 鮮明で鋭い音


 
イエローブラス ゴールドブラス レッドブラス 洋白4種


金属管体の仕上げ

金属の表面仕上げの方法によっても、音色は微妙に異なります。

ラッカー塗装 ソリッドで強めの音。フォルテの音抜けが良いと感じられる。
音の輪郭がはっきりする。
銀メッキ 柔らかく明るめの音。楽器自身の特性が直接あらわれ、
より細かなニュアンスが出せる。
金メッキ 柔らかい比較的立つ音。
銀メッキよりは暗めの音。
ニッケルメッキ 鮮明で鋭い音。

以上のとおり、楽器の材質によって音色は異なります。
自分に合った楽器を使用することで、理想の音色に一歩近づくことができるでしょう。
もっと詳しく知りたい方、分からない点などございましたら、
お気軽にご質問ください。
<リペアマンの一言> Vol.33

7月の修理依頼ランキング

今回は吹奏楽コンクール直前、今年7月の修理ランキングの発表です。
楽器別
1 フルート
2 B♭クラリネット
3 アルトサックス
4 ホルン
5 トランペット

タンポやコルクの消耗パーツが多いフルート、クラリネット、サックスがトップ3にきました。

修理別
バランス調整、定期点検(フルート)
バランス調整、定期点検(B♭クラリネット)
部分タンポ交換(B♭クラリネット)
バランス調整(アルトサックス)
キイ曲がり修正(B♭クラリネット)
タンポ交換(フルート)
キイ曲がり修正(フルート)
ウォーターキイコルク交換(トランペット)
ロータリー調整(ホルン)

コンクール直前ということで、点検依頼の中学、高校生のお客様が多かったです。
しかし中には、 定期的に調整に出していなかったため
長期お預りをしての大がかりな修理が必要なものも多くみられました。
修理に時間をかけることができないときは、
応急処置でしか対応できない場合もあります。
本番をベストの状態で臨めないのは残念なことです。

        楽器は生きています
楽器は気温や湿気、使用の仕方によって常に状態が変化する
とてもデリケートな生き物です。

調子の良くない楽器で演奏しつづけるということは、
足をケガした馬に乗り、無理やり走らせているようなものです。
かわいそうで見ていられませんね。

月に一度の定期点検

楽器の健康を維持するためには
日頃からのお手入れ、点検、調整をすることが大切です。
コンクール前の5〜8月は特に修理が混みあいます。
大会直前になって慌てないよう、日頃から楽器のメンテナンスを心がけましょう。
<リペアマンの一言> Vol.32 
サンキョウフルートフェア レポート

去る6月6日、7日に、昭和楽器春日部店で
毎年恒例のサンキョウフルートフェアが開催されました。
サンキョウは日本屈指のフルート専門メーカーで、
その音色、品質には定評があります。

当日は展示試奏会と、サンキョウの技術者2名による調整会が行われました。
調整会には約60名ものお客様が参加されました。

展示試奏会
ハンドメイド10K、14K、
木製フルート、アルトフルートなど
多彩なラインアップ。
頭部管の形状もさまざま。
アーティストモデルに彫刻が入った
40周年限定モデルも展示。


調整会
フルートを分解し、クリーニングして
オイルをさします
タンポのカップに紙を入れて
トーンホールとタンポの
すき間をうめます
ライトを入れて
ピッコロのタンポのすき間をチェック
サンキョウ技術者の方と
リペアルーム前にて

調整会に参加された方は、ご自身の楽器の状態を知る良い機会となったようです。
たくさんのお客様のご来店、誠にありがとうございました。


きれいな音色、ほどよい吹奏感を保ち、楽器の反応をよくするには、
こまめに点検・調整を行い、常に楽器をベストな状態にしておく必要があります。

当店では随時、定期点検・調整・修理を受け付けております。
どうぞお気軽にお越しください。
<リペアマンの一言> Vol.31 
クラリネット         <木管楽器の割れ>
クラリネット、オーボエ、ピッコロなどの管体は、天然の木(グラナディラ)で作られています。
そのためこれらの楽器は急激な温度や湿度の変化に弱く、ヒビ割れしたり、
ジョイント部がつなぎにくくなる場合や、抜けなくなる場合があります。
ジメジメしたこの時期は特に、日頃のお手入れに気をつけなければなりません。

<割れ防止の注意点>
1.新しい楽器の場合、使い始めは長時間の使用は避けましょう。
2.直射日光の下での使用や、ストーブのそばでの使用を避けましょう。
3.クーラーの風に直接当てるのはやめましょう。
4.冬は楽器全体が室温に慣れるまで待ち、それから吹き始めるようにしましょう。
5.雨の中での使用は厳禁です。



<日常のお手入れ>
1.使用後、使用中も演奏の合間、こまめにスワブを通し、水分を取り除く
2.ジョイント部についた水分をガーゼで取り除く。
  ※ジョイント部は特に水分がたまりやすく、ここからヒビ割れをおこす恐れがあります。
3.水分がバネに付着しないようにご注意ください。サビの原因になります。
4.タンポに付着した水分を、クリーニングペーパーで取り除く。

ヤマハ クリーニングスワブ ヤマハ クリーニングペーパー
クラリネット用
ヤマハ クリーニングスワブ
ヤマハ クリーニングペーパー



楽器が割れてしまったら・・・
すぐに使用をやめて、修理をする必要があります。
そのまま使用し続けると、割れが進行してしまいます。
昭和楽器2Fリペアルームにお持ちください。

割れる楽器が必ずしも悪い楽器というわけではありません。
割れ修正さえすれば、よっぽど大きな割れでない限り、
その後も長く使用することが可能です。

割れかどうか見分けがつかない、その他ご相談、ご質問等ございましたら
お気軽にお問い合わせください。

<リペアマンの一言> Vol.30 
今月はユーフォニアム、チューバに使われている、ピストンのスピルについてのお話です。

音程を切り替えるために使用するピストンには、
通常スピルという部品が付いています。
スピルには、ピストンを常に正しい位置で上下させるための、ガイドの役割があります。

ユーフォニアムの
ピストン
部分のスピルの出っぱりが
矢印のミゾにそって、上下に動く仕組み

このスピル、新品のものはピストンに接着されており
普段外れないようになっています。
しかし長年使用しているうちに、そのスピルの接着がはがれてしまうことがよくあります。

接着がはがれていても、ピストン軸でしっかり固定されているので、
演奏上、特に支障はありません。
しかしピストンを分解掃除した時などに、スピルが外れた場合は、
スピルの取り付け位置を間違えないようにしなければなりません。

スピルの取り付け方 (ヤマハの場合)

スピル(裏面)
スピルの裏面に小さく丸い出っぱりがあります。 (写真の部分)

その出っぱりを、下の写真、矢印の穴にはめます。


ピストン
上から見た図


スピル装着後

必ず一番小さい穴にはめましょう。
はめる穴を間違えると、管内の息の通り道が確保できず
音が鳴らなくなります!

気をつけましょう。



ピストン軸 装着後

スピルを穴にはめたら、ワッシャー(銀色のリング)をスピルの中央に乗せ、
ピストン軸でしっかり固定しましょう。
(ワッシャーとピストン軸 一体型のものもあります。)






パッド→薄くてツルツルした素材
      (ポリエチレン)
フェルト→
パッドより少し厚い

その後、ピストン軸にパッド→フェルトの順番に通して、スピルの上に乗せます。


パッド、フェルトは長年使用してつぶれたり、薄くなると
ピストンを動かしたときのノイズの原因となります。お早めに交換しましょう。
2Fリペアルームまで楽器をお持ちいただければ、
その場で点検・パーツ交換が可能です。

その他、ご質問等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。

<リペアマンの一言> Vol.29

春日部店 管楽器リペアルームは
お陰さまで今年4月で満3歳となりました。
育ち盛り、可愛い盛りである私たちを、今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。

<タンポの水分除去>

湿気が多くなるこれからの時期は
タンポが形状変化し、キイのバランスが狂いやすくなります。
(詳しくはバックナンバー H20.2月、H21.3月を参照)
しかしクリーニングペーパーで水分を吸い取ることによって
その狂いを最低限に抑えることができます。

吹き口に近い方のタンポは特に念入りに

タンポの水分はクリーニングペーパーを用いて取り除きます。
水分は、特に吹き口に近い側に多く付着します。
また特にトリルキイなど、普段は閉じていて、押すと開く
クローズのキイに溜まりやすいです。

タンポでペーパーを押さえたまま引き抜くと、
タンポが毛羽立ったり、擦り切れて傷む原因となるので気をつけましょう。



話は変わりますが、今回は先月修理依頼の多かったものを、
楽器別、修理内容別にランキングにしました。

3月の修理依頼ランキング
【楽器別】
1.B♭クラリネット
2.フルート
3.トランペット
4.アルトサックス
5.ホルン
【修理内容別
1.調整 (フルート)
2.タンポ交換、調整 (B♭クラリネット)
3.ヘッドコルク交換 (フルート)
  調整  (アルトサックス)
4.キイ曲がり修正 (B♭クラリネット)
5.キイ曲がり修正 (アルトサックス )

先月は、学生さんが春休みに入っていたということもあり、
木管楽器の定期点検、調整の依頼が多かったです。

楽器の不具合も人間と同じで、早期発見、早期治療が一番です。
3ヶ月〜半年に一回の定期点検をして、
常に楽器をベストの状態に保つようにしましょう。
<リペアマンの一言> Vol.28 

<木管タンポのすき間>
木管楽器のタンポは、過湿や乾燥で状態が変化する
非常にデリケートなものです。
形状が変化すると、トーンホール(穴)とタンポの間にすき間が生じます。
少しでもすき間があると息もれがして、音の鳴り具合が変わってしまいます。
(詳しくはバックナンバー H20.2月を参照)

〜すき間のチェック方法〜
細かいすき間を確認することは、楽器を良い状態に保つために重要なことです。
確認の仕方は技術者によってもさまざまですが
主に以下の方法で、すき間の有無を確認します。

@目で見る
目で見ただけで確認できる大きなすき間は、タンポだけではなく
キイバランスにも大きな狂いが生じている可能性が高いです。

Aライトを使う
楽器内部にライトを入れ、タンポを押さえた状態で
光がもれていないかチェックします。
(専用のライトを使用します。確認をご希望の方は当店へお越しください)

サックス フルート
矢印のタンポから光がもれており、すき間があることが分かります。

Bつまようじ と紙を使う
つまようじの先に、あぶらとり紙などの薄い紙を付けたものでチェックします。
タンポが合っていれば紙を抜こうとする時に抵抗がありますが、
合っていないと抵抗なくスルッと抜けてしまいます。
つまようじは私たちリペアマンにとって
欠かすことのできない大事な相棒です。
つまようじ+あぶらとり紙
0.05mmのすき間も分かる優れもの
クラリネットタンポのすき間をチェック

<お手入れと定期点検>
タンポの形状は、使用していると自然と変化してしまうものです。
しかし日頃からしっかりお手入れすることで、
その変化を最低限におさえることができます。
演奏後は楽器内部の水分をこまめにスワブ等で取り除きましょう。
またタンポに付着した水分は、クリーニングペーパーでしっかり吸収しましょう。

定期点検は3ヶ月〜半年に一回が理想です。
当店に楽器をお持ちいただければ、その場で点検いたします。
お気軽にご相談ください。
<リペアマンの一言> Vol.27

クラリネット レジスターキーコルクの豆知識


クラリネットのレジスターキイには、コルクタンポがよく使用されています。
このコルク、メーカーやモデルによって
角が落とされているものと、落とされていないものがあります。
ヤマハの場合は、カスタム(上級モデル)のものは角が落とされています。

角を落としてないタンポ 角を落としたタンポ


角を落とすか落とさないかは、好みによって分かれます。
角を落とす利点は、中音域A♭(シ♭)や、全部押さえたAの音での
ズーという雑音が軽減することです。
しかし、ただ闇雲に角を落とせば良いというものでもありません。
削る場所が違うと意味がない場合もあります。

角が落ちてないタンポを使用していて雑音でお困りの方、
一度試してみてはいかがでしょう。
当店にお持ち頂ければ、タンポを加工(状態によっては交換)することができます。
(※ご自身で削ることはおやめください)

ただしこれまでの状態のタンポで慣れていた方は、
もしかしたら今までのタンポの方が良かったと思われることもあるかもしれません。
あくまでも好みによって分かれるものだということを
ご理解いただいた上でお試しください。

その他ご質問がありましたらお気軽にお問い合わせください。
<リペアマンの一言> Vol.26  

明けましておめでとうございます。
本年も昭和楽器リペアルームをどうぞ宜しくお願いいたします。

<フルートの組み立て方>

今回はフルートの組み立て方についてです。
今更、と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、
慣れていても誤った取り扱いをつい無意識にやってしまいがち。
いま一度復習してみましょう。


〜フルートの取り扱い やってはいけない3ヶ条〜
@リッププレートをにぎらない
→ 吹き口は頭部管の中でも特に繊細な部分です。

Aキイをにぎらない
→ タンポがつぶれてしまい、息もれの原因になります。
   息もれは、音色や吹き心地に大きく影響を及ぼします。
   またキイは繊細なので、強い力が加わると簡単に曲がってしまいます。

※例外 足部管と主管の組み立てが難しい場合
  
→ 写真のように、利き手の親指で、足部管の開いている二つのキイ
  (LowCキイ、C#キイ)を押さえて組み立てましょう。
   キイにはなるべく力がかからないように注意してください。

B斜めの状態から組み立てない
→ 斜めの状態から組み立てることを繰り返すと、金属が磨耗します。
   組み立てがスムーズにいかなくなったり、キズをつくる原因となります。
   必ず真っ直ぐになっていることを確認してから組み立てましょう。


間違った楽器の取り扱いは、目に見えない部分で楽器へ負担がかかり、
思わぬ故障の原因になってしまいます。十分に気をつけましょう。
ご不明な点は当店スタッフまでお気軽にご相談ください。

<リペアマンの一言> Vol.25 

<木管楽器 ネジの種類>

今月は木管のネジについてのお話です。
木管楽器のキイを組み立てる時に使うネジには、
大きく分けて2種類に分けることができます。

@鍵ネジ(けんねじ) または ピポットスクリュー
二つの鍵ネジでキイの両サイドを固定します。

A芯金(しんがね)
パイプ状になっているキイに
芯金を差し込み、固定します。

この2種類のネジはどちらもキイの動きを左右する大事な部分なので、
定期的にキイオイルをさす必要があります。
古いオイルのまま使用すると音色や吹き心地にも影響してきます。
またオイルが切れると、キイが錆びついて動かなくなる場合もあるので注意が必要です。

オイルは外側からさすだけでは、なかなかキイ内部に浸透しません。
半年〜1年に一回はメンテナンスに出し、
オイルをさしたり、キイ内部のクリーニングをするようにしましょう。

分からないことがありましたらお気軽にスタッフまでお問い合わせください。



<昭和楽器吹奏楽団 アンコン埼玉県大会出場!>

話は変わりますが、去る11月30日、富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ にて、
アンサンブルコンテスト埼玉県大会が開催されました。

私たち昭和楽器吹奏楽団は、管楽四重奏で職場の部に初出場し、
銀賞をいただくことができました。
ご声援ありがとうございました。

左からトランペット、ユーフォニアム、
ホルン、ファゴット
アンサンブルではとても珍しい
楽器編成です。

<リペアマンの一言> Vol.24  

<木管楽器 3種類の木材>


今月は木管楽器に主に使われている3種類の木材をご紹介します。

【グラナディラ】
<使用楽器> クラリネット、ピッコロ、オーボエ、一部のフルート
<産地> アフリカのタンザニア、モザンビークなど
<特徴> 他の木に比べて非常に硬く、水に沈む重い木です。
音が遠くで響く傾向にあります。

【メープル(楓)
<使用楽器> ファゴット
<産地> カナダ及びアメリカ北東部、ボスニア・ヘルツェゴビナ
<特徴> グラナディラに比べると材質がやわらかく
湿気を吸いやすいです。
音響特性の良い材質です。

【キングウッド】
<使用楽器> 一部のオーボエ
<産地> 南アメリカ、アフリカ
<特徴> 硬く目の詰まった材質です。
近くで音が響き、やわらかい音色がするため、
室内楽向きの楽器に仕上がります。
   
B♭クラリネット
グラナディラ
ファゴット
メープル
オーボエ
キングウッド


このように楽器によって木の種類も使い分けられています。
材質によって楽器の鳴り方や音色も変わってくるのは面白いですね。
木の密度や木目の流れも色々です。
そのため同じ機種でも、一つひとつが個性豊かな楽器に仕上がります。

木はナマ物です。
過湿、過乾燥や、急激な温度変化に弱いです。
その影響を受けて木にヒビが入ったり、
息に含まれている水蒸気を吸って木がふくらむ恐れがあります。
ジョイントが抜けなくなったりするのはこのためです。
このように木材は常に状態が変動する繊細なものなので、
取り扱いには十分に気をつけましょう。

分からないことがありましたら、お気軽にご相談ください。

<リペアマンの一言> Vol.23 

<クラリネットの指掛け>

クラリネットの下管に付いている指掛け。
演奏する際に楽器を支える大切なものです。

メーカー、品番によって指掛けの形状も様々
(例)
ヤマハ等 ヤマハ カスタム等 クランポン

この指掛けは、クラリネット本体に金属のネジで直接固定されていますので、
指掛けをぶつけたりして管体のネジ穴が広がってしまった場合、
グラつきが生じます。
そのため、グラつきが出たり指掛けが外れてしまった場合は、修理が必要となります。
※瞬間接着剤で固定することはおやめください。

指掛けが外れた状態

通常、修正は状態にもよりますが、まず一度ネジ穴に
木の粉やチップ(管体に使われているグラナディラ)を埋め込み、表面を平らにします。
そして再びドリルでネジ穴を作ります。
ボール盤(穴をあける機械)を用いることもあり、慎重に作業をします。

 
ボール盤でネジ穴を作ります

指掛けがグラついてお困りの方、是非当店にご相談ください。
その他ご質問等ありましたらお気軽にお問い合わせください。

<リペアマンの一言> Vol.22  

9月になりました。
夏の大会等に向けて、練習を重ねてきた方も
たくさんいらっしゃるでしょう。お疲れ様です。
そして私は、あなたの楽器にもお疲れ様と言ってあげたくなります。

管楽器は一見、打たれ強いです。
どんなにぶつけられボコボコにされようとも、
「痛い」、「疲れた」と声に出して強く主張することはありません。
しかし実は細かなところでサインを出しており、
パッと見ただけではなかなか気づきにくいものも多いです。

このサインを見逃さないよう、3ヶ月〜半年に1回は楽器診断をして、
日頃頑張っている楽器をいたわってあげましょう。


<銀の黒ずみについて>

多くの管楽器に使用されている銀。
金管楽器やフルート、サックスの本体、
クラリネット、オーボエ、ピッコロのキイのメッキに主に使用されています。

この銀が、黄ばんできたり黒ずんだりしてお悩みの方も多いのではないでしょうか。
この変色は酸化ではなく硫化反応です。
銀は、空気中や人間の汗に含まれる硫黄分や酸素に反応すると、紫から黒へ変色していきます。
変色した反応部分は、薄い膜となって内側を保護するので、
機能として心配する必要はありません。

クラリネット。銀メッキのキイが黒く変色しています


<銀メッキのお手入れ>

銀の光沢を保つためには、日頃のお手入れが必要です。
演奏後は、専用の柔らかい布で表面の汚れをふき取りましょう。

【変色が気になった時】
金管楽器、フルートの管体 シルバーポリッシュ、またはシルバークロス
木管楽器のキイ シルバークロス

※木管楽器のキイ部分にシルバーポリッシュ(銀磨きの液体)を使用する場合は、
キイの隙間に液体が入り込んだり、タンポに付かないように十分注意しましょう。

         
変色したクラリネットの
マウスピースキャップ
シルバークロスで
磨いてピカピカに

ちなみにフルートは、少数ですがニッケルという材質で
作られたものもあり、同様に銀色です。
ニッケルの場合は、お手入れはメタルポリッシュ、メタルクロスを使用します。


木管のキイの裏側の変色は、分解が必要となるためご自分で磨くことは難しいです。
また黒ずみがあまりにひどい場合は、
シルバーポリッシュでは落ちない場合がございます。

昭和楽器では、楽器の磨きも受け付けております。
ご相談やお見積もり等、お気軽にお問い合わせください。

<リペアマンの一言> Vol.21 

夏真っ只中。皆様暑さに負けてはいませんか?

コンクール前後の6〜9月は、毎年修理が混み合います。
できるだけご希望に添った形で修理をするよう心がけておりますが、
中には長期お預かりが必要になる場合もございます。

管楽器、特に木管楽器は、3ヶ月〜半年に一回の定期点検をして
「早期発見・早期治療」を心がけましょう!
当店で管楽器をご購入のお客様は、ご購入一年以内は無料で調整いたします。
(パーツ交換が必要なもの、楽器をぶつけてしまった場合の修理は
別途修理代がかかります。ご了承ください。)


<金管ピストンフェルト>

今月はトランペットやユーフォニアムなどのピストン部分に使用されている
フェルトについてのお話です。

ユーフォニアム
ピストンフェルト
トランペット
ピストンフェルト
トランペットピストン
 笠フェルト


<フェルトの役割>

ピストンフェルトには、二つの役割があります。

@ピストンを押した時、戻した時に直接金属部分が
 当たらないようにするためのクッションの役割
Aフェルトの厚みで、ピストンの位置を調節する役割 

 ピストンを押さえると、ピストンの穴と、管体のパイプの穴の位置が重なります。
  その穴に息を通すことによって音を出します。
  この息の通り道をまっすぐにするために、フェルトの厚みで位置を調節します。


トランペットの第二抜差し管
ピストンを押さない時 ピストンを押した時
 
 フェルトの厚みは、楽器を作る段階から計算されて作られていますが、
 フェルトが長年使用によって薄くなると、穴の位置が少しずれてしまいます。
 そうすると、息がスムーズに流れなくなるため、音抜けも悪くなってしまいます。
 ただのフェルトだからと、あなどってはいけませんよ。

<交換時期は?>

 長年使用して、フェルトがつぶれてペラペラに薄くなっていたり
 ピストンを押した時に、カチャカチャとノイズがする場合はフェルトの替え時です。 
 あなたのピストンフェルトは大丈夫でしょうか。
 今一度、確認してみましょう。
 
 交換時期かどうか、ご自身で判断がつかない場合は、
 昭和楽器2Fのリペアルームまで楽器をお持ちください。
その場で点検いたします。
    ピストンフェルト交換(フェルト一つあたり ¥100前後) 

 その他、ご質問等ありましたらお気軽にご相談ください。

<リペアマンの一言> Vol.20  

暑い季節になってきました。
皆様の楽器ケース内はサウナ状態になっていませんか?

クラリネット、ピッコロ、オーボエなどの木製楽器の方は特に
時々ケースを開けて換気をしましょう。
サウナに入ると汗をかいて痩せる(?)人間とは違い、
木製楽器は汗をかけず、湿気をそのまま吸収するので太ります。
木やコルクが太ると、ジョイント部がきつくなったり、抜けなくなる場合があります。
高温多湿での保管は避けましょう。


<トロンボーンのスライド>

さて、今月はトロンボーンのスライドについてのお話です。

スライドはトロンボーン独自の構造です。
他の金管楽器は、ピストンやロータリーを使用して
管の長さを変えて音程を得ます。
一方トロンボーンは、スライドを伸縮させて音程を得ます。
スライドはピストンやロータリーよりも動きが大きく、常に力が加わるため、
使用しているうちに少しづつ曲がりが生じてきます。

管の曲がりやヘコみは、スライドの動きを大きく左右します。
スライドの動きが悪いと、当然演奏にも支障をきたしてしまいます。
またスライド内部にサビや汚れがあると
音色や音量に影響するだけでなく、楽器本体が傷んでしまいます。


【あなたのスライドは大丈夫?

1.スライドの内部は掃除されているか。
2.スライドの動きはスムーズか。
3.スライドを動かした時にノイズはしないか。
4.外管、中管にヘコみはないか。



スライドの動きとノイズは、掃除をすれば多少改善される場合もあります。


【演奏後のスライドの手入れ】

1.ウォーターキイから、管内の水分を出す。
2.スライド中管の古いスライドクリームを、ガーゼで拭き取る。
3.クリーニングロッド(掃除棒)に、長めのガーゼを手元まで巻きつける。

  この時、クリーニングロッドの金属の部分が出ていると
  管内にキズが付いてしまうので注意。
  ガーゼを巻きつけたロッドを、巻いた方向にゆっくり回しながら、
  スライドの外管と中管の内側の汚れを取り除く。


必ずスライド支柱を持って掃除しましょう。 中管のマウスピースを取り付ける管は、特に管内が一部狭くなっています。
ガーゼを細めに巻きましょう。


掃除をしてもスライドの動きが悪い場合は、修理が必要となります。
一度昭和楽器春日部店2Fのリペアルームにお持ちください。
(スライド調整 ¥5000〜  楽器の状態により幅がでます)

それでは楽器と一緒に夏バテしないよう気をつけて、元気にお過ごしください。

<リペアマンの一言> Vol.19  

スワブのご機嫌取りはお任せください

ジメジメとした季節に突入しましたが
皆様の楽器は湿気に負けてはいませんか?
今月はスワブ詰まりについてのお話です。

木管楽器の方は、演奏後はスワブ(楽器内部手入れ用の布)を管内に通して
水分を取り除くことが必要です。
金管楽器にもマウスパイプなどに通すスワブが販売されています。
水分を取り除くことは、楽器の割れ、サビ、カビを防ぐためにとても大事なことです。

しかしこのスワブ、うっかり管内に詰まらせてしまった経験のある方も多いでしょう。
スワブ詰まりは一見すると、「こんなのすぐ抜ける」と思えてしまうものですが、
ただの布だからといって、あなどってはいけません。
あなたが力いっぱい引き抜こうとすればするほど、状態が悪化するという皮肉。
勢い余ってキイや管体を曲げてしまう場合もあります。
更に、水で濡らして滑りをよくしようとする方もいらっしゃいますが、
残念ながら水分を含んだ布は、管内でふくれてしまいます。
こうなると、スワブは身も心も固く閉ざしてしまいます。
水は絶対にNGです。

スワブをなんとしても救出したいというお気持ちはよく分かりますが、
彼はどうやら強く引っ張られることを、あまり好まないようです。
彼の心をほぐすのには、少しコツがあるのです。
様子がおかしいなと思ったら、すぐに昭和楽器2Fのリペアルームにお持ちください。
一刻も早く救出します。
(スワブ詰まり除去 お見積り目安 ¥1000〜)

ただし、持ち込まれた状態によっては
やむを得ずスワブがボロボロになってしまう場合もあります・・・。
そうならないように、スワブを通す時はよくほぐして、
スワブと上手に付き合っていきましょう。


クラリネットの上管は、上から通す

サックスは、本体もネックも太い方から

トランペットのマウスパイプは、抜差し管側から
<リペアマンの一言> Vol.18   

暖かくなってまいりました。
部活や楽団に所属している方は、新メンバーも入ってきて
にぎやかになってきた頃ではないでしょうか。

今月は金管楽器、サックスの溶接に多く用いられるハンダ付けについてのお話です。
金管楽器は吹き口からベルまで、金属の管を繋ぎ合わせてできています。
繋ぎ合わせる部分は、主にハンダが用いられています。
高温溶接のロー付けに比べると、どうしても強度は落ちますが、
柔らかい材質の管体のためハンダ付けとなっています。

ハンダが一ヶ所でも外れると、楽器のバランスが崩れて金属に負担がかかってしまいます。
また演奏する際の雑音の原因になったり、十分な響きが得られなくなってしまいます。
古い楽器の場合は、ハンダの強度が弱くなり、自然とハンダが外れてしまうことがあります。
また楽器をぶつけたりしても、ハンダが外れてしまうことがあります。


金管楽器で一番ハンダ付けの箇所が多い、ホルンの抜き差し管
ハンダが外れた状態 接着後


サックスのキイポスト(キイを支える柱)もハンダ付けです
ハンダが外れた状態 接着後


あなたの楽器は大丈夫ですか?
もし一ヶ所でも外れていたら、早めに修理しましょう。

当店ではハンダ付けを、一ヶ所¥1500〜 で承っております。
場所によってはお預かりの修理となる場合もございますので、あらかじめご了承ください。
点検、お見積もりは無料です。お気軽にご来店ください。


話は変わりますが、去る4月19日、春日部市の中央町第四公園で
第五回「ジャズデイかすかべ」が行われました。
超絶トランペット奏者エリック・ミヤシロさんがゲスト出演され、昭和楽器にもご来店されました。
ということで、最後にとっておきの一枚で締めくくらせていただきます。

昭和楽器店内にて  2008.4.19
<リペアマンの一言> Vol.17   

春到来です。
お陰様で、春日部店2Fのリペアルームは
4月で満2歳を迎えることができました。
そしてこの春から、新しくリペアマンが一人仲間入りし、
リペアルームはリペアマン2人体制となりました。

皆様の大切な楽器を、より早く、ご希望に添った形でお直しできるよう
最善を尽くしていきたいと思います。
今後ともご愛好のほど、よろしくお願い致します。


<木管楽器のタンポ大解剖>
今回は皆様が普段見ることのできない
木管楽器のタンポの裏側をお見せしたく、
夜な夜なタンポを解剖してみましたので公開します。

【フルート】
 
解剖前 解剖後

左:カバードキー用
右:リングキ−用



一般的に使われているフィッシュスキンというタンポです。


【クラリネット】
解剖前   解剖後

こちらも一般的に使われているフィッシュスキンタンポです。


【サックス】
解剖前 解剖後

 サックスは穴が大きいため、中心部に反射板(レゾネーター)が取り付けてあります。
メーカーによって、反射板がプラスチックのものと金属のものがあり、
音色に違いが出てきます。



いかがでしたか。タンポの意外な一面が見れたでしょうか。
今回私がこれまでにないくらい真剣にタンポの解剖をした感想は、
タンポ表面の皮は薄く、とにかく繊細だということです。
破かないようにキレイに剥がすのに苦労しました。
(マネをすると楽器が吹けなくなるので、マネをしないようにしましょう)

タンポは水分や湿気、乾燥に弱く、破れやすいです。
タンポが破れたり、すり切れたり、湿気や乾燥でタンポが変形すると、
うまく穴をふさぐことが出来ず、息もれの原因となってしまいます。
息もれがすると吹きづらくなり、音色、ピッチにも影響します。

ではもっと破れにくい、頑丈なタンポを使えばいいのにと
お思いの方もいらっしゃるかと思いますが、
この繊細な皮だからこそ、弾力性があり、柔軟に楽器の穴をふさぐことができるのです。
皆様も演奏後の水分をしっかり取り除き、タンポを大切に扱いましょう。

タンポが破れている、古くなり硬くなっている場合は交換が必要となります。
当店では無料で点検、お見積もりいたします。
お気軽にお越し下さい。

それでは、湿気対策と花粉症対策をしっかりして、気持ちよい春を満喫しましょう。
<リペアマンの一言> Vol.16  

先月はフルートのタンポのお話をしました。
今回はクラリネット、サックス、ピッコロ、フルート(一部)などに使用されている接着剤
『シェラック』についてのお話です。


<タンポの調整>

タンポは木管楽器にとって必要不可欠なパーツです。
(詳細はバックナンバー 2月『タンポって何?』を参照)
フルートとその他木管楽器のタンポでは、大きく異なる点があります。
フルートはタンポの中央に穴が空いており、金属のネジでカップに固定します。
タンポにできる細かい隙間は、紙の厚さで調整します。

一方、クラリネットやサックス、ピッコロ、オーボエ、ファゴット、フルート(トリルキイ)は、
熱で溶けるタンポ専用の接着剤(シェラック)でカップに固定します。
タンポに隙間がでたときは、接着剤を溶かして、
タンポの隙間を再度埋め直すことができます。
調整やタンポ交換の際、キイをバーナーであぶるのは、そのためです。
決してあなたの楽器を燃やそうとしているのではないので、ご安心ください。


左: タンポ裏にシェラックをつけたもの
右:タンポの裏側
シェラックをバーナーであぶり、溶かしている様子

<接着剤 シェラックの正体>

シェラックは、ラック虫(ラックチュウ)という虫の分泌物と松脂を混ぜてできたものです。
ラック虫とは、インドや東南アジアに生息している虫で、樹木から養分を吸い上げて
巣を作るために樹脂状のものを分泌します。
この分泌物は天然で無害です。
クラリネットやサックスには、ラック虫の魂が宿っているので
ぞんざいな扱いはもうできませんね。


シェラックの実物を見てみたい方、もっと詳しく知りたい方は、
昭和楽器リペアスタッフにお気軽にお尋ねください。
また当店で楽器をご購入頂いたお客様は、1年以内でしたら無料で調整いたします。
(パーツ交換がないものに限る)


次回は木管楽器のタンポお話です。乞うご期待ください。

<リペアマンの一言> Vol.15 

寒い日が続いていますが、風邪などひいていないでしょうか。
今月はフルートのタンポ(パッド)についてのお話です。

<タンポって何?>

リコーダーの穴を指でふさいで音程を変えるように、
木管楽器も穴をふさいで音程を変えます。
木管楽器はリコーダーに比べて、管体もトーンホールも大きいため
指でふさぎきることが困難です。
そこで、指の変わりに穴を直接ふさいでくれるものがタンポなのです。

一般的に使用されているフルートのタンポは、
圧縮されたフェルトに、薄い膜(豚の腸)が覆われてできています。


<フルートの中身はこうなっている>


タンポはただ入れただけは、タンポとトーンホールの細かいすき間からの息漏れのため、
ちゃんと音が鳴ってくれません。

タンポとカップの間には調整台紙が入っており、紙の厚みですき間を埋めていきます。
調整台紙の厚さは0.05ミリ〜0.50ミリで、すき間の大きさ、幅に合わせて切り貼りします。
通常、フルートのタンポは一つひとつ、この作業がなされています。

<タンポの寿命>


タンポは過湿、乾燥の状態を繰り返すと、タンポの消耗が激しくなってしまいます。
タンポの外側の薄い膜は非常に破れやすいですが、
破れるとそこから息漏れがしてしまうため、交換が必要になります。
タンポの寿命は使用頻度にもよりますが、手入れがよければ5年ほど持ちますが、
中には、1〜2年でダメになってしまう場合もあります。


<タンポを長持ちさせるには>

演奏後にしっかりガーゼ、クリーニングペーパーを使って水分を吸い取りましょう。
また楽器をクロスで拭き取る際は、
タンポの側面を擦り減らせないように気をつけましょう。


定期調整は3ヶ月〜半年に一回が理想です。
昭和楽器では無料で楽器診断、お見積りいたします。
(フルートのタンポ交換は一箇所1500円〜で、お預かりが必要な場合もあります)

タンポはとてもデリケートです。
乾燥する今の時期でも、演奏後の水分はしっかり取り除きましょう。
<リペアマンの一言> Vol.14

明けましておめでとうございます。
新年を皆様はいかがお過ごしでしょうか。

新年の昭和楽器リペアルームは、皆様の可愛い楽器たちでごった返しており、
いささか託児所のようなありさまです。
お陰で私は一人でも寂しくありません。


<バルブ楽器のお手入れ>
今月は、トランペット、ユーフォニアム、アルトホルン、チューバなどの
ピストンのお手入れについてお話します。
演奏前にバルブオイルを注すことは皆さん日頃から行っているでしょうが、
ピストンやケーシング(ピストンが入っている管)のクリーニングをやっている方は
案外少ないのではないでしょうか。

ピストンの汚れや傷、サビは、ピストンの動きを悪くする原因となります。
週に一度、ガーゼでクリーニングする習慣をつけましょう。


<クリーニングの方法>
・ケーシングの掃除
 クリーニングロッドの先端の穴に、ガーゼのはしを通してロッドに巻きつけます。
 この時、ロッドの先端の金属部分が出ないように気をつけましょう。
 ケーシングにロッドを通して、汚れを拭き取りましょう。



・ピストンの掃除
 きれいなガーゼで表面の汚れを拭き取ります。
 バルブの穴の汚れは、ガーゼを通して取り除きます。
 この時ガーゼを無理に最後まで通す必要はありません。
 ピストンを落としたりしないよう細心の注意を払いましょう。



<ピストンが動かない>
オイルを注してもピストンが動かない原因は様々です。

 ・楽器をぶつける、ピストンを落とすなどして、管に曲がりがある
 ・ピストンを垂直ではなく斜めに押すなどで、内部が片側だけ摩耗している
 ・汚れやサビが出ている
 ・使用年数が長く、ピストンやケーシングがすり減って、すき間が大きくなっている 等。


ピストンが動かない時は、無理に動かさずに修理に出しましょう。
当店ではピストン調整1箇所につき3000円〜で修理いたします。
(楽器の状態により多少金額、納期に幅が出ます)
当店にお持ちいただければ、無料でお見積りいたします。


では、本年も皆様の可愛い楽器をよりいっそう可愛く元気にさせるべく、
日々奮闘してまいりたいと思います。
今後ともご愛顧の程、よろしくお願いいたします。
<リペアマンの一言> Vol.13 
<木管マウスピース>

早いもので今年も残すところ僅かとなりました。
楽器の大掃除、メンテナンスなどやり残したことはないでしょうか?

今月は木管マウスピースの取り扱い方法についてお話します。

先月、金管マウスピースの変形はある程度修正が可能だとお話しましたが、
木管マウスピース、リガチャーの場合は、残念ながら修正がきかないため、
新しくマウスピースを購入して頂くしかありません。
マウスピース、リガチャーの状態は音色に影響しますので、取り扱いには十分注意しましょう。


<保管方法>
使えるリードはリードケースに入れて大切に保管しましょう。
リガチャーは単体でケース内に保管したり
リードを付けずにマウスピースに装着すると、ゆがみの原因となります。
欠けたりして使えなくなったリードを再利用して
リガチャーでマウスピースに装着すると、リガチャーのゆがみを防ぐことができます。
マウスピースには忘れずにキャップを付けて、楽器ケースの専用の収納場所に保管しましょう。


<演奏後のお手入れ>
クラリネット、サックスのマウスピースのお手入れ方法の基本は
演奏後、クリーニングスワブをマウスピースのジョイントする側から通して
内側の水分や汚れを取り除くことです。
このとき、マウスピースの先端を傷つけないように注意しましょう。
表面はマウスピースクリーナーを使用すると、衛生が保たれます。




<マウスピース内側のクリーニング>
クリーニングの仕方を材質別にご説明します。

※クラリネットの場合は、マウスピースにコルクが付いています。
水で洗う際はコルクに水分が付かないように気をつけましょう。
水分でコルクが膨らむと、ジョイントがきつくなってしまいます。


・エボナイトの材質の場合
広く使用されているエボナイトの材質のマウスピースは、傷が付きやすいです。
内側の汚れを取り除く場合は、水で洗い流すか、
マウスピースクリーナーを内部に吹きつけ、ガーゼやスワブで拭き取ります。
ブラシを使うと傷が付いてしまいますので、頻繁に使用しない方がよいでしょう。

・ABSなどの樹脂系の材質(プラスチック)の場合
日頃のお手入れはエボナイトと同じお手入れ方法で構いません。
汚れがひどい場合は、水やぬるま湯にブラスソープを混ぜて、
マウスピースブラシで洗うことができます。
熱い湯に浸けるとマウスピースが変形しますので注意しましょう。

・メタルの材質の場合
日頃のお手入れは、こちらもエボナイトと同じお手入れ方法で構いません。
またABSなどの樹脂系と同じように、マウスピースブラシで洗うことができます。
黒ずみなどの変色は、どのメッキも
シルバーポリッシュやシルバークロスで落とすことができますが、
あまりゴシゴシやりすぎると表面のメッキまで剥げてしまいますので、注意が必要です。
金メッキ加工のものは傷が付きやすいので、
柔らかいクロスで拭くだけにしておいた方がよいでしょう。



長々とご説明しましたが、一番のポイントは、彼らは身も心も繊細だということです。
大切に可愛がってあげましょう。
その他ご不明な点は、昭和楽器2Fスタッフにお気軽にお尋ねください。

それでは乾燥対策をしっかりして、楽器の大掃除もして、どうぞよいお年をお迎えください。
<リペアマンの一言> Vol.12  

<金管マウスピース 凹み修正>
寒くなってまいりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今月は金管のマウスピースについてのお話です。

管楽器のマウスピースはとても大事な部分です。
金管のマウスピースは金属でできているので、一見頑丈そうに見えますが、
落としたりすると簡単に凹んでしまいます。
凹みがあると、音抜けや音色に影響してしまいます。
あなたのマウスピースは大丈夫ですか? いま一度確認してみましょう。

トランペット マウスピース
修理前                             修理後
シャンク(細い筒状の部分)の先端の円が歪んでいます。      丸い円になりました。


金管のマウスピースの凹みは、ある程度は修復が可能です。
リペアマンが駐在している場合は、その場で修理してお渡しすることが可能です。
(※ただし、凹みがひどい場合や、亀裂が入っている場合は、
交換をお勧めする場合がございます。)


<取り扱い方法>
マウスピースを楽器ケース内に入れる際は、
必ずマウスピース専用のスペースに収納しましょう。
マウスピースのみ持ち運びをする際は、マウスピース専用のポーチやケース、
箱に入れるようにしましょう。

<お手入れ方法>
金管マウスピースは、日頃の掃除を怠ると、汚れが息の通り道をふさいでしまい、
スムーズに音が出なくなってしまいます。
また、メッキが剥げたりすると、本来の性能が出せなくなります。

演奏後は、水分をスワブやクロスで拭き取りましょう。
表面に付着した軽い汚れには、マウスピースクリーナーが便利です。
内部に汚れがひどく付着している場合は、ブラスソープを混ぜた水に浸け置きした後、
マウスピースブラシで洗います。
この時、ゴシゴシこすり過ぎて傷をつけないよう気を付けてください。



その他ご不明な点は、昭和楽器2Fスタッフにお気軽にお尋ねください。

来月は木管楽器のマウスピースのメンテナンスについて取り上げます。
乞うご期待ください。
<リペアマンの一言> Vol.11   

秋も深まってまいりました。
これからの季節は、特に管体が木でできている楽器
(クラリネット、ピッコロ、オーボエ、ファゴットなど)の取扱いに気をつけましょう。
何故なら彼らは敏感肌です。
乾燥はお肌の大敵です。
日頃のお手入れを欠かないようにしましょう。


<ベル、ジョイント部のリング緩み>

クラリネット、オーボエ、ピッコロのジョイント部分には、金属でできたリングがはめ込んであります。

クラリネットベルリング、バレル

   クラリネット右端のジョイント部の金属
正常なものは金属がしっかりと固定されており、どんなに力を入れて回してみても、ビクともしないものです。
しかし時々ビクッとしてしまうもの、
それどころか軽い力でもクルクルと回ってしまうものもあります。
ここまでくると重症です。
ノイズの原因にもなりますので、修理が必要となります。
特にB♭、E♭クラリネットによくある症状です。

金属のリングの緩みは、管体の木が乾燥により縮んだ証拠です。
木が縮むと、キイのメカニズムにわずかな狂いが生じます。
ここ何年も調整に出したことがないということであれば、
タンポも相当硬くなっていることが予想されます。
タンポの弾力性が失われると息漏れの原因となり、演奏にも支障がでてきてしまいます。


<乾燥を防ぐには>

楽器に適した湿度は40〜60%と言われています。
湿気は目に見えるものではないので扱いが難しいですが、次のことに気をつけましょう。

エアコンの効いた部屋に長時間放置しないようにしましょう。
また、冷えた楽器を急激に吹くことも避けてください。
急激な温度変化は割れの原因にもなります。
乾燥する季節だからといって、演奏後にスワブを通さなくてもよいのかといったら、
そうではありません。
水分を取り除く作業は、年中行いましょう。
加湿器のある部屋に楽器を放置するのは効果的ではありますが、”ほどほど”を心掛けましょう。
当店では湿度調整シートも販売しておりますので、そちらを利用するのもよいでしょう。
(詳しくは店頭スタッフまで)


リングの緩みは楽器が悲鳴を上げているサインです。
このサインを発見した方は、早めに修理することをお勧めします。
まずは春日部店2Fで無料お見積りを。
(状態によっては長期お預かりになる場合もございますがご了承ください。)

まだ10月なのに少々気が早いようですが、
冬に楽器が最悪な状態にならないように、今から乾燥対策をしっかりするよう心掛けましょう。
<リペアマンの一言> Vol.10   

金管ウォーターキイコルクについて

早いもので、もう9月。
吹奏楽コンクール県大会も終わり、練習も一段落着いた頃でしょうか?

今月は金管のウォーターキイ(唾抜き)コルクについてのお話です。
2〜3年も楽器を使用すると、ウォーターキイのコルクは古くなり
硬くなったり、欠けてきたりすることがよくあります。
古くなったコルクは、息漏れや水分漏れの原因となります。
息漏れがあると当然楽器も吹きづらくなり、スカスカした音になってしまいます。


下のような状態のコルクは、早急に交換が必要なものです。
ちょっと痛々しいですね。あなたの楽器は大丈夫ですか?




コルクの交換時期かどうかは、お客様ご自身でも判断がつきやすい部分なので、
時々チェックしてみてください。
判断がつきにくい場合は、抜差管の片方の穴を指で塞ぎ、息を入れてみて
ウォーターキイから息が漏れないか確認してみるのもよいでしょう。


ご自分でコルク交換をご希望されるお客様も時々いらっしゃいます。
交換の仕方は、古いコルクをマイナスドライバーの先端などで取り除き、
新しいコルクをボンドや瞬間接着剤で取り付るという、一見簡単そうな作業です。
しかし、古いコルクの欠片が残っているまま付けたり、
コルクのサイズが合わないまま無理に付けたりすると、
コルクが斜めに装着され、再び息漏れの原因を作ってしまいかねません。

また、ウォーターキイからの息漏れの原因は、コルクだけではありません。
オイル切れによりキイが固着して、穴が塞がらなくなることもあります。
キイやバネが腐食して欠けることもあり、この場合はパーツ交換が必要になります。
ご自分で交換をご希望の方は、リペアスタッフにご相談ください。
当店でコルクを交換する場合は、点検やウォーターキイのネジへオイルの注油も行ないます。
(コルク交換 一ヶ所¥500)

それでは今月も店内を涼しくして、お客様のご来店をお待ちしております。
<リペアマンの一言> Vol.9 

ヘッドコルクについて

夏本番です。
いよいよ吹奏楽コンクールの季節がやってまいりました。

気温が高く、湿気も多く、楽器の使用頻度も上がるであろうこの季節は
私たち演奏者だけではなく、楽器にとっても過酷な季節です。

楽器ケース内はサウナ状態。冷房がガンガンに効いた部屋は雪国のよう。
そして演奏者から受けるプレッシャーと日々闘う彼らもまた、
心身共に疲れているのではないでしょうか。
そんな時こそ、いつもお世話になっている楽器を労わってあげたいものですね。

過湿、過乾燥は木管楽器の大敵です。
急激な温度変化は、木製楽器の割れを引き起こしやすくします。
木管楽器の方は特に、演奏後の水分の処理や湿度管理をしっかりするよう気をつけましょう。


<フルート・ピッコロのヘッドコルク>

今月は、縁の下の力持ち、ヘッドコルクについてのお話です。
フルート・ピッコロの頭部管の中には、
ヘッドコルクという円柱型のコルクが入っています。
ヘッドコルクが縮んだり、古くなって硬くなったりすると、反射板の位置がズレてしまいます。
そうすると、正しい音程が得られなくなるだけではなく、例え他の調整が完璧であろうと、
その楽器は非常に鳴りにくいものになってしまいます。
普段は絶対に姿を現さないコルクですが、実は重要な役割を果たしているという、なかなかニクイ奴です。

左 ピッコロ用ヘッドコルク
右 フルート用ヘッドコルク
このような形でコルクが入っています
コルク右側の金属の部分が反射板
     

<反射板の位置をチェック>

意外と知らない方も多いのですが、クリーニングロッドの先端(穴の空いていない方)には
反射板の位置をチェックするための溝が入っています。
クリーニングロッドを頭部管に差し込み、線が唄口の中央に合っているか見てみましょう。

上  ピッコロ用クリーニングロッド
下 フルート用クリーニングロッド
 一番左側の線で見ます

このようにして確認します  線が唄口の中央にあればOK


<ヘッドコルク交換の目安>

ヘッドキャップが軽〜い力でもクルクル回って止まらない場合、
また反射板の位置が中央から大幅にズレてしまっている場合は
ヘッドコルクの交換が必要である可能性が高いです。
使用頻度にもよりますが、1〜2年に1回が交換の目安です。

楽器を当店にお持ちいただければ、無料で点検・反射板の位置修正をいたします。
(ヘッドコルク交換の場合は、フルート・ピッコロ一律¥1200)
ご希望であれば反射板の位置修正のやり方もお教えしますので、お気軽にお申し付けください。
ちなみに昭和楽器店内はとても涼しいですよ。

それでは皆さん、かわいい楽器と共に暑い夏を乗り切りましょう。
    <リペアマンの一言> Vol.8 

ロータリーのサビについて


今月はフレンチホルン、チューバ等のロータリーについてのお話です。

楽器をぶつけた訳でもないのに、いくらオイルをさしても
ロータリーの動きが悪くてお悩みの方は多いのではないでしょうか。
動きが悪い原因として考えられるものはいくつかありますが、
中でも一番多いのが、※緑青(ろくしょう)という、銅や銅合金の表面に生じる緑色のサビです。
このサビがロータリーに付着すると、ロータリーの動きが鈍くなったり、
ガサガサとノイズがしたり、固まって動かなったりします。

この緑青は、ロータリー楽器に限らず、全ての金管楽器に共通して起こる現象です。
木管でも、タンポの裏にうっすら緑青が付着している状態のものも時々見かけます。
しかし、ロータリー部分が一番緑青が顕著にみられ、やっかいなものです。
なぜなら、ロータリー部分はやや複雑な構造になっているため、
ご自分でロータリーを分解、洗浄することができない場所だからです。

※緑青・・・長い間日本では人体に有害な物質であると考えられていましたが、
その根拠は不明。研究が進み、現在では緑青は「安全」であると発表されています。

年季の入ったシングルホルン
第1ロータリーを分解してロータリーは抜いてある状態  シングルホルンのロータリー(緑色の物体が緑青)


【ロータリーの緑青チェックの目安】
ロータリーが錆びるときは、目に見えないところから錆びていきます。
抜差し管から覗いてサビが見当たらなかったとしても、実際にはすでに錆びている場合もあります。
したがって、抜差し管内部やロータリー軸の側面にサビが出てきていたら、
相当腐食が進行していると思った方がよいかもしれません。

【サビ、腐食を防ぐ方法】
・演奏前後にロータリーにローターオイルをさす。
 (ローターオイルには防錆効果があります。)
・歯磨き、うがいをしてから楽器を吹く。

どうしてもお酒を飲みながら吹きたい方は、サビ、腐食を覚悟しましょう。
覚悟の上ならば私は止めませんが、責任は持てません。

【サビを取り除くには】
最低でも一年に一回は楽器の丸洗いをする。
(理想は月に一回です!)
ただし、ご自分でロータリーを分解しての直接の洗浄はできません。
またサビは、ブラシでこすったくらいでは硬くて全て取り除くことはできません。

ロータリーの動きや緑青でお悩みの方は、当店に楽器をお持ち頂ければ、
楽器の状態を無料で点検、お見積りいたします。
ある程度緑青を取り除き、ロータリー調整をすることが可能です。
(腐食がかなり進行している場合は、
サビを完全には取り除けない場合もございますのであらかじめご了承ください)
その他、洗浄の仕方、分からないことがあれば当店スタッフにお気軽にお尋ねください。
<リペアマンの一言> Vol.7    

金管バルブオイル


バルブオイルは、金管奏者にとっては、最も使用頻度の高い、身近なお手入れ用品の一つでしょう。
この何気なく使っているオイル、
メーカーも種類も沢山あって、どれを使っていいのか分からない方も多いでしょう。
私もお客様からこのような質問を受けることが頻繁にあります。
そこで今月は金管のバルブオイルの特集をいたします。


<バルブオイル対象楽器>
 トランペット、アルトホルン、バリトン、ユーフォニアム、チューバ等のピストン楽器
(フレンチホルン、トロンボーン、ロータリーチューバ等のロータリー楽器には、
 ローターオイルを使用してください)

<オイルの効能>
 ピストンとバルブケーシング内金属の錆びを防ぎます。
 素早い動きと滑らかさを長時間持続します。


オイルはそれぞれメーカーにより粘度や持続性が違います。
使用されている楽器の機種、年数によって楽器の機密性、磨耗度が変わってきます。


●バルブケーシングの機密性が高く、磨耗が少ない楽器には、
 オイルの粘度が低くサラッとしたものをお選び下さい。

 

 →新品の楽器、ヤマハXenoモデル等、特別に早い動きを必要とする奏者向け


左より
ヤマハ バルブオイルライト
ヘットマン
ピストン用オイル
ライトピストン
            
●バルブケーシングの機密性が中庸の楽器には、
 オイルの粘度はレギュラータイプのものをお選び下さい。
 

 
→一年以上使用している楽器、ヤマハスチューデントモデル等
  
左より
ヤマハ バルブオイル レギュラー
ヘットマン ピストン用オイル ピストン
アルキャッス ファーストオイル
V.バック バルブオイル
ラ・トロンバT-2 バルブオイルトランペット用


●バルブケーシングの機密性が低く、磨耗の多い楽器には、
 オイルの粘度が高めものをお選び下さい。

 
 
→長期間使用している楽器、ユーフォニアムやチューバなどの低音楽器用

左より
ヤマハ バルブオイルヴィンテージ
ヘットマン ピストン用オイルクラシックピスト

ラ・トンバ T-1バルブオイル ユーフォニアム、チューバ用


※上記の分類はあくまでも私の主観ですが、個人差、個体差もございますので参考程度にご覧ください。


オイル選びは、あくまでもピストンの状態がよいことが前提となります。
ちゃんとオイルをさしても動きが悪いときは、修理が必要である場合がございます。
楽器の現物があった方がより的確なアドバイスが差し上げられますので、
そのような場合は一度、昭和楽器春日部店2階にお持ちください。
無料で点検、お見積もりいたします。

オイル選びは、”絶対これを使ったら間違いない”とお考えになられるよりも、
色々なオイルを使用して、お客様ご自身の楽器に合ったものをジックリ見つけ出すことが一番です。
しかしどれを使用すればよいのか迷った時は、昭和楽器スタッフにお気軽にご相談ください。
あなたの楽器、用途、お好みに合ったバルブオイルが見つかるようお手伝いいたします。
<リペアマンの一言> Vol.6  
キイオイル

暖かくなってまいりました。
私の心と口元も少々ほぐれてきたところで、
今回は木管楽器のキイオイルについて、少し長くなりますがお話ししようと思います。


キイオイルはキイ内部のサビや摩耗を防ぐ役目があります。
古いオイルのまま使い続けるとキイ内部に汚れが溜まり、
音の響きを止める原因になってしまいます。
また、オイルが切れるとネジが固着してキイが動かなくなる事もあるので
定期的に挿すことが大事です。

ただし、自分でオイルを挿す場合は
キイの動きが悪いけど調整や修理に出す時間がないような時の
応急処置として考えておいてください。
分解をしないと内部までオイルが完全には行き渡らないですし、
オイルがタンポに付いたらタンポの方がダメになってしまいます。
半年、または最低でも一年に一回の定期点検、調整に持ってきて頂けたら、
分解してキイ内部の掃除、オイルの挿し直しを無料でいたします。(保証期間内のものに限る)

L ピッコロ、フルート、オーボエ用
M クラリネット用
H サックス、バスクラリネット、ファゴット用

楽器にはそれぞれに合ったオイルの粘度があります。
キイの動きの重さは、バネの長さと太さ、圧力で調整し、
設計の段階で、それは数値として規定されています。
極端な例を挙げると、ピッコロのバネは細く、バネの圧力が弱いのですが、
サックスのバネは太く、バネの圧力も強いです。
そのため、軽いキイのピッコロに粘度の高いオイルをさしたら、
モタモタして動きが鈍くなり、操作性が悪くなります。
人間で言う、鉄下駄を履いて全力疾走をさせられているようなものなので、
そんなピッコロさんは正直可哀相で見ていられませんし、
やはり軽い陸上シューズを履いて軽やかに走ってもらいたいものです。

しかし粘度が違うと微妙な違いではありますが響き方も変わり、
粘度が高いほど重厚な音色がするとも言われています。
演奏家の中でも、好んで他の種類のオイルを挿す方もいらっしゃいます。
ピッコロさんも時にはヒールの高い靴を履いてもらうのも気分が良いでしょうし、
その場合は私も色々試し履きして頂きたいです。
しかしよっぽどのことがない限り、ピッコロさんには
陸上シューズを履いてもらうのが無難かなと思っています。
長々と書きましたが、その他分からない事、気になる点等あれば
当店スタッフにお気軽にお尋ねください。

上 サックスのバネ
中央 クラリネットのバネ
下 ピッコロのバネ
<リペアマンの一言> Vol.5  

新年度、おめでとうございます。
お陰さまで昭和楽器2Fのリペアルームも満1歳となりました。
1歳ではまだまだ未熟、と言いたいところですが、昭和楽器は早熟です。
そして皆様と共に歳を取っていくのが何よりの喜びです。
今後ともご愛好宜しくお願いいたします。


【楽器ケースあれこれ】

今月は、意外と盲点な楽器ケースについてのお話です。
楽器修理というと、楽器本体のことを思い浮かべる方が大半だと思うのですが、
時々、楽器のケースが壊れたといって持ち込まれる事があります。
楽器を保護するケースは当然丈夫でなければいけませんが、
金具が外れたり、ネジが緩んでいたりしたら
大事な楽器に、いつ何が起こるか分かりません。
一度、あなたの楽器ケースの状態を確認してみてはいかがでしょうか。

ケースの修理も、楽器本体と同様に状態に幅があります。
パーツを一部交換すれば直るものもあれば、
修理代より新品のケースを購入した方が安くつくこともあるので、
修理をご希望の方は一度当店にお持ち頂くことをお勧めいたします。

楽器ケースは、ハードケースが一番理想です。
万が一の衝撃にも、ある程度は耐えられるからです。
セミハード、ソフトケースは、ハードケースより軽いので持ち運びに便利です。
ただし、ぶつけないように、くれぐれも注意してください。
ヘコんだり、キイが曲がったりする恐れがあります。

施錠をし忘れて、ケースから楽器を落とすケースもよくお目にかかります。
その場合、かなり重症なことが多いので、そちらも十分気を付けましょう。

最近は、カラフルなケース、スタイリッシュなケースが色々出ています。
あなたの個性を是非とも見せてください

新発売のフルートケースバッグ!
ラメが入っていて、
一見普通のカジュアルバッグのようです。

<リペアマンの一言> Vol.4

3月10、11日にクラリネット無料調整会を行いました。
クラリネットの調整会は初の試みでしたが、
二日間にわたり総勢40名の方が調整に持ってきてくださいました。
今回はヤマハ鰍フ技術の本間さんにもご協力いただき、
昭和楽器のスタッフである私と二名で調整いたしました。
学生さんから一般バンド所属の方、子連れの方、当店の音楽教室生徒さん、
最近吹いていないけど楽器の状態が気になる方などが来店されました。
時には私の工具である木製ハンマーが育ち盛りの坊やの遊び道具に変身したりして、
私も予想外の展開にハラハラドキドキでした。


調整をした全体的な印象は、単刀直入に『もったいないなぁ』というものでした。
上手く吹けないのは自分の演奏技術のせいだと思い込んでいる方は
沢山いらっしゃいます。
もちろん練習は大事でしょう。
しかしそれと同じくらいに、常に楽器をベストの状態に保つのは大事なことです。
こまめにお手入れをしていても、どうしてもある程度の状態の変化は仕方ないものです。
原因は温度差であったり、季節などによって変化する湿気や乾燥であったり。

微妙な状態の変化を早期発見、早期治療するのが私の役目です。
しかし早期治療したいのは山々なのですが、
大抵修理で持ち込まれる楽器は悲しいかな、すでに"重症"なものがほとんどです。
そうすると、おのずと入院期間も長くなってしまいます。

ただ、誤解を招く表現をしてしましたが、昭和楽器リペア室は病院ではありません。
点検・調整の際は、悪い状態を元に戻すという作業だけではなく、
より吹きやすくしたい、より良い音色を出したいといったご要望にもご相談承ります。
お気軽にお申し付けください。
今回の調整会を通して、皆さんが定期点検の習慣をつけていただければなぁと思います。
<リペアマンの一言> Vol.3

最近特に、派手にヘコんだり曲がったりしている痛々しい楽器を頻繁に目にします。
皆さん、この寒さで手元足元が狂ってしまうのでしょうか。
それとも私に会いたいがために、わざとぶつけているのでしょうか。


金管楽器や、サックス、フルートなどの金属のヘコみや曲がりを直すときは、
それぞれの楽器の部位に合わせて作られた
芯金(しんがね)という専用の工具を用います。
万力に芯金をはさみ、ヘコの部分をハンマーで叩き出したり、
ローラー、ヘラ等を使ってヘコみを直します。

豪快なヘコみが徐々に元に戻っていく様は快感です。
しかし、お客様の大事な楽器をガンガン叩いたり、曲げたりするのは
それが直しているという行為ではあっても、
少々胸が痛んだり痛まなかったりするものです。

一度金属が曲がってしまったら、当然同じ箇所を再び曲げなければ元の姿には戻りません。
よって、見た目は元に戻っても、楽器には目に見えないダメージが残ってしまいます。
また、落下や衝撃によって付いた傷やヘコみのスジは、ヘコ直しをしても消えません。
傷を直すためには、一度表面を削って、再びラッカーやメッキをかけ直さなければいけませんが、
それも金属にはダメージが加わる上、かなりの値が張ってしまいます。
やはり、ヘコませないことに越したことはないですね。

皆さんの大事な楽器、今以上に強く握り締めて、我が子のように守ってあげてください。
しかし、もしもの事があったら、2F奥のリぺアルームへ駆けつけてください。
わたくしが往診いたします。
<リペアマンの一言> Vol.2 


新年明けましておめでとうございます。
先月は金管楽器の丸洗いについて取り上げましたが、
ピカピカな楽器と共に新年を迎えていただけたでしょうか。

今月は、木管楽器の基本的なお手入れについて取り上げます。
木管楽器のお手入れで一番重要なことは、
演奏後にきちんと水分を取り除くことです。
これを充分にやらないと息もれの原因となり、楽器全体のバランスも崩れてしまいます。
木管楽器で持ち込まれる修理の大半は、この湿気が原因の息もれにあります。
タンポは演奏して水分を吸うと膨張し、吹き終わって乾燥すると収縮するという
とても繊細なものなので、取り扱いは慎重にしなければなりません。
お手入れの仕方を充分ご存知の方も、もう一度復習してみてはいかがでしょうか。


演奏後は、通常フルート、ピッコロにはガーゼを、その他の木管楽器にはスワブを通します。
綿(めん)でできているスワブは、古くなるとケバが立ち
使い続けると、濡れたトーン・ホール(タンポでふさぐ穴)に
ケバ(細かい布のホコリ)がたまってしまいます。
何度も繰り返し洗濯して使うのではなく、
ケバが目立ってきたら新しいスワブに交換するよう心掛けましょう。
洗って繰り返し使える新素材のスワブもあります。

クラリネットやサックスのマウスピースには、あまり何回もスワブを通すと、
リードを付ける大切な部分が削られてしまいます。
通常はマウスピースは洗ってよく乾かせば問題ありません。
マウスピースクリーナーを使うと、マウスピースをより清潔に保つことができます。

タンポとトーン・ホールの間には、クリーニングペーパーを挟んで水分を取ります。
吹き口に近い楽器の上の方のタンポや、普段ふさがっているクローズのタンポには
特に水分がたまりやすいので要注意です。

水分を取っても、キイを押した時にタンポがぺチャぺチャと貼り付いてしまう場合は、
パウダーペーパーを使います。
タンポとトーン・ホールの両面にパウダーを付けましょう。
ただし、付けすぎは汚れが溜まる原因になるのでほどほどに。

その他分からないことがありましたら、スタッフにお尋ねください。
では、本年も昭和楽器をどうぞ宜しくお願いいたします。
<リペアマンの一言> Vol.1 

「ピカピカの楽器で新年を迎えましょう」
早いもので、今年も残すところあと1ヶ月。
1年間使ってきた楽器への感謝の気持ちをこめて、
楽器の大掃除をしませんか。

お手入れは、楽器そのものの寿命を大きく左右します。
演奏後の毎日のお手入れはもちろん、つい忘れがちな
1ヶ月に1回のお掃除も大切です。

今回は金管楽器の洗浄について取り上げてみます。
@楽器が丸ごと漬かるくらい、水またはぬるま湯をためて、
専用の洗剤(ブラスソープ)を数滴たらします。


Aピストン→抜き差し管の順にはずします。
底蓋もはずしましょう。
※この順番は、楽器の中が真空状態になるのを防ぐためです。
真空状態になると、目に見えないところで
楽器に負担がかかります。
例えば、第3抜き差し管を抜くときはピストンを押しながら抜くのはそのためです。

取れるものは取りましょう。
ゆっくり、注意をしながら・・

B専用のブラシで管内、抜き差し管内部を洗いましょう。ピストンはキズがつきやすいのでブラシは通さず、表面を優しく洗ってください。ホルンやトロンボーンのロータリーは自分で分解するのは避け、無理にブラシを通さないようにしましょう。

あまり洗っていないと
汚れやカスがたまり、
不思議な物体がでて
きたりします。


C洗い終わったら、ぬるま湯で洗剤をきれいに洗い流します。ピストン楽器の組み立ては、
抜き差し管→ピストンの順で組み立てるとよいでしょう。
1年以上楽器を洗浄したことのない方は、特に演奏会本番前は洗浄は控えましょう。
しばらく洗浄をしていないと、音抜けや音色がかなり変わるおそれがあります。

当店に直接楽器をお持ちいただければ、洗浄や調整、点検のご相談もお受けしますので、心配な方はお問い合わせ下さい。
また、お手入れ用具は店内で販売しておりますので、何を使えばよいかわからない場合もお気軽におたずね下さい。

年越しを機に楽器の大掃除もして、ピカピカの楽器と共に気持ちよく新年を迎えましょう!


お問い合わせ・資料請求
TEL■048-737-0707■

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